真夏の怖い話「女の幽霊にじーっと目で追われた時の恐怖体験」
今週のお題「怖い話」
今から25年程前の事。
当時私は20歳で、昼は会社の事務員、夜は知り合いのスナックでアルバイトをしていました。
その店では7月に「浴衣祭り」というのがあって、働いている女の子たちが浴衣を着て働く時があります。
その浴衣を家から着ていく子もいれば、店で着付けをしてもらう子もいました。
私は家で母に着せてもらい、他の何人かの女の子たちは店で着付けをお願いしていたんです。
着付けをする間、マスターやチーフなどの男の従業員は、1階にある居酒屋で待機することに。
そして着付けが終わり、カウンターに座って飲み物を飲んでいた時の事です。
着付けをしてくれている女の人が、「この店一番最初に開けてる子、誰?」と聞いてきたので「私です。」と返事をしました。
そうすると「ここのスナックビル、出るっていう噂だから気を付けてね・・」と言われ、よくある話だな・・というのが最初の印象でしたが・・・。
この後、不気味な事が起こったのです。
怖い話をしていると女の子たちが怖がり始めたので、着付けをしてくれた女の人が「タバコ吸ってると霊が寄りつきにくいって聞いたことがあるよ」と言ったんです。
それで慌ててみんなタバコに火をつけました。
そして気持ちが悪いのと着付けも終わったので、1階の居酒屋で待ってくれているマスターたちに電話して「もう終わってるから。」という事を伝えました。
そして店に戻ってくる間、カウンターに座っていると・・・。
私は一番奥の席に座り、その横に着付けの女の人、その横に女の子が2人座っていました。
その2人の女の子はドアに一番近い場所です。
何気ない世間話をしていると、私の右肩にハッキリと誰かの顔が近づいてきたのが分かったんです!!
わかりやすく言えば、私の右肩に顎を置かれたような感じでゾクッとしてしまい「キャー!!!」と大きな声を出してしまいました。
でも一瞬思ったのは、私が違う方向を見ている間に1階の居酒屋で飲んでいたマスターやチーフたちが、ドアからそーっと入ってきて私のことを驚かせようとしたのかな?とも思いました。
それほどの人の気配が、ハッキリとわかってしまったからです!
その後すぐにドアが「ガチャガチャ!」となり、マスターたちが戻ってきました。
そのドアの音に、近くに座っていた女の子たちは大パニックになりました!!
それまでのリアルな怖い話、私の普通じゃない叫び声、その直後にドアの音。
そのタイミングに、もうみんな笑い泣きです。
いったい、あの時の気配は何だったのでしょうか?
そして、その話にはまだ続きがあったのです。
それから何日かしてから、店を開けてお客さんが来るのを待っている時の事。
店の照明を調節するために、スイッチの方に行って明るさを調節していたのです。
そして元の場所に戻ると、照明がスーッと暗くなり「あれっ?」と思ってもう一度照明のスイッチの方へ行こうとすると、元の明るさに戻りました。
少し気持ち悪くなったので、誰かに電話をして気を紛らそうと思った瞬間、あの浴衣祭りの時のようにドアが「ガチャガチャ!」となり、お客さんが入ってきました。
ものすごく怖くてドキドキしていたので、全く知らないそのお客さんが天使のように見えました。
そして今起きた話をベラベラと話し続け、しばらくすると又次のお客さんが・・・。
その人は入ってくるなり、初対面なのになぜか私の顔をジーッと見ているんです。
特に気にはしなかったのですが、たまたまその人の席に着いた時に聞いてみたんです。
「さっき私の顔見てたけど、誰かに似てた??」という感じで聞いてみました。
するとその人は、「あそこの通路に女の人が立ってる。」と言いました。
その通路と言うのは、さっき私が照明の調節をしようと通った通路です。
そこには照明のスイッチもあります。
「その女の人、何してるの?」と聞くと、私の事をずっと目で追っている、と言います。
「えーっ?!」と驚きと怖さで焦ってしまい、全て信用したわけではないにしても、話の前後がピッタリと会いすぎていて・・。
本当に怖かったです。
その後は特に変化はなかったものの、その通路を通るたびに「今、女の人の幽霊の横を通り過ぎているの??」と思いながら怖かったことを思い出します。